「歩く」より「立つ」が大事?座りすぎの怖さを知ってほしい
「運動してますか?」と聞かれると、「週末にウォーキングしてます」なんて答える方は多いでしょう。でも実は、週末の運動よりも「平日にどれだけ座っているか」のほうが健康への影響が大きいかもしれない。こう聞くとちょっと驚きませんか?
日本人は世界一座っている
シドニー大学の研究によると、日本人の平均座位時間は1日約7時間で、調査対象20カ国の中でワースト1位。デスクワークの方なら、通勤中の電車やバス、仕事中、帰宅後のテレビ鑑賞を合わせると、1日10時間以上座っているのも珍しくないはずです。
オーストラリアの大規模研究では、1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人に比べて3年以内の死亡リスクが40%も高いという結果が出ています。しかもこれ、運動習慣の有無に関係なく、です。つまり、毎朝ジョギングしていても、残りの時間ずっと座っていたらリスクは高いまま。
座りすぎが体に悪い理由
長時間座り続けると、まず足の筋肉がほとんど動かない。すると血流が悪くなり、血糖値や血圧のコントロールが悪化します。ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれるくらい、血液を心臓に戻すポンプの役割をしているんですが、座ったままだとこのポンプが機能しません。
さらに、座り続けることで代謝に関わる酵素の活性が低下し、中性脂肪の分解能力が落ちます。これが動脈硬化や心臓病のリスクを高めることにつながるわけです。
30分に1回、立つだけでいい
じゃあ何をすればいいのか。答えはシンプルです。「30分に1回、立ち上がる」。これだけでかなり違います。
立ち上がって水を取りに行く。トイレに行く。窓の外を30秒眺める。別に運動じゃなくていいんです。「座り続けている状態を中断する」ことが大事。英語では「break up sitting time」と言いますが、座りっぱなしの時間を「分断する」イメージですね。
職場でできる工夫
最近はスタンディングデスクを導入するオフィスも増えてきました。高さ調節できる昇降式デスクなら、座り仕事と立ち仕事を交互にできます。FlexiSpotなどのメーカーから2〜3万円くらいで出ていますし、会社に提案してみる価値はあるでしょう。
スタンディングデスクが無理なら、電話を取るときだけ立つ、打ち合わせは立ったまま行う、プリンターをわざと遠い場所に置く——こんな小さな工夫でも、座位時間は減らせます。
自宅での座りすぎ対策
退職後やリモートワークの方は、自宅での座りすぎに注意が必要です。テレビを見るときはCMのたびに立ち上がる。スマホにタイマーをセットして30分ごとにアラームを鳴らす。台所で料理する時間を増やす(立ち仕事になりますよね)。
テレビを見ながらでもできるのが「かかと上げ」。椅子の背もたれに手を添えて、かかとを上げ下げするだけ。ふくらはぎのポンプ機能を活性化できるので、血流改善に効果的です。
大事なのは、「1時間の運動をする」ことではなく、「座る時間を減らす」という発想の転換です。完璧にやろうとしなくていい。まずはスマホのタイマーを30分にセットすることから始めてみませんか。
※長時間のフライトやドライブ後に足のむくみや痛みが続く場合は、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)の可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。