腸活のすすめ:発酵食品と腸内環境の話
ここ数年、テレビや雑誌で「腸活」という言葉を見ない日はないくらいですよね。腸は「第二の脳」とも呼ばれていて、免疫機能の約7割が腸に集中しているなんて話、聞いたことありませんか?
でも正直、「腸活」って言葉が先行して、具体的に何をすればいいのかわかりにくい。ヨーグルトを食べればOK?サプリを飲めばいい?——実はそう単純でもないんです。
腸内細菌は「多様性」がカギ
私たちの腸には約1,000種類、40兆個もの細菌が住んでいます。よく「善玉菌を増やしましょう」と言いますが、最近の研究でわかってきたのは、善玉菌の「量」よりも腸内細菌の「多様性」が大事だということ。
いろんな種類の菌がバランスよくいる腸は、免疫力が高く、アレルギーにもなりにくい。逆に、特定の菌ばかりが増えた偏った状態は、さまざまな不調の原因になり得ます。
日本の発酵食品が優秀すぎる
腸内環境を整える上で、日本人は実はものすごく恵まれた食文化を持っているんです。味噌、醤油、酢、ぬか漬け、納豆、甘酒、鰹節——これ全部、発酵食品です。
特に味噌は注目に値します。信州味噌、八丁味噌、西京味噌と種類も豊富で、それぞれ異なる菌が関わっている。毎朝の味噌汁は、実は最高の腸活なんですよ。
おすすめの発酵食品
納豆は納豆菌だけでなく、食物繊維も豊富。朝食に1パック食べるだけで、腸内環境にかなりプラスになります。ぬか漬けは乳酸菌の宝庫ですが、市販のものは浅漬けタイプが多いので、できれば自家製がベスト。最近は冷蔵庫用の小さなぬか床キットが無印良品やカルディで売っていて、初心者でも手軽に始められます。
ヨーグルトも定番ですが、毎日同じ銘柄を食べるよりも、2〜3週間ごとに違うメーカーのものに切り替えると、異なる種類の乳酸菌を取り入れられます。明治のR-1、森永のビヒダス、小岩井の生乳ヨーグルトなど、ローテーションしてみてください。
食物繊維を忘れちゃいけない
発酵食品ばかりに注目しがちですが、腸内細菌のエサになる「食物繊維」も同じくらい大事です。善玉菌を腸に入れても、エサがなければ定着しません。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があって、両方バランスよく摂ることが重要。水溶性はわかめや昆布、オクラ、りんごなどに多い。不溶性はごぼう、さつまいも、玄米、きのこ類に豊富です。
個人的におすすめなのが、もち麦を白米に混ぜて炊くこと。もち麦は水溶性食物繊維のβ-グルカンがたっぷりで、プチプチした食感も楽しい。スーパーで300〜400円くらいで買えるので、試してみる価値はあります。
腸活の「やりすぎ」にも注意
ちょっと注意したいのが、腸活のやりすぎ。ヨーグルトを1日3個食べたり、サプリメントを何種類も飲んだりすると、お腹がゆるくなったりガスが増えたりすることがあります。特にFODMAP(発酵しやすい糖類)に敏感な体質の人は、発酵食品の摂りすぎで逆にお腹の調子が悪くなることも。
何事もほどほどが大事。無理に高いサプリを買う必要もありません。毎日の食事に味噌汁と納豆、ヨーグルトのうち1〜2品を取り入れて、あとは野菜や海藻で食物繊維をしっかり摂る。これだけで十分な腸活になりますよ。日本の伝統的な食事は、考えてみればもともと発酵食品だらけ。朝は納豆と味噌汁、昼にぬか漬け、夜に醤油で味付けした煮物——ごく普通の和食が、実は最強の腸活メニューだったりするんです。
※慢性的な便秘や下痢が続く場合は、自己判断せず消化器内科を受診してください。過敏性腸症候群(IBS)などの可能性もあります。